(出資者報告用のレポートを転載します。容量の関係で画像やグラフなどは省略しておりますので、ご了承ください)

2022年 レポート

 

 毎年、気候も人間界も憂鬱なことが多発しておりますが、同時に各地で新しい持続可能な社会やエネルギーの取り組みが起きてきていることに希望を感じています。東京市民ソーラーの発電所もきっちりと維持をし続けていきたいと思います。

この度、七年目の成果分配に伴い、2021年度一年間の報告書を発行させていただきます。

 

発電量のご報告

202161日から2022531日までの検針結果より(下段:2020年度、

2019年度、2018年度)   

発電所
場所
(容量)

宮坂(11kW)

上祖師谷(15.75kW)

弦巻(21kW)

那珂(48kW)

明野(55.08kW)

世田谷
三箇所(47.75kW)

合計(150.83kW)

年間
発電量

(kWh)

11,471

11,979

11,704

9,779

16,788

17,306

17,636

18,764

20,805

22,971

(23,430 

24,881

58,939

58,771

(59,140 

60,254 

65,213

67,034

(67,712 

70,248

49,064

52,256

52,770 

53,424

173,216

178,061

179,622 

183,926

積算
売電額

()

404,092421,661

(411,642 

337,958

599,979609,171

620,873 

648,479

745,354

808,578

(820,040 

859,883 

2,068,839

2,068,739

2,009,247 

2,082,373 

2,295,494

2,359,597

2,353,666 

2,427,765

1,749,425

1,839,410

1,852,555 

1,846,320

6,113,758

6,267,746 (6,215,468

6,356,458

 (※注:各発電所の発電開始時や検針日、年度の消費税率が異なりますので、単純比較はできません)

 (※注:匿名組合損益計算書は計算書の注記にある通り、税額などの計算方法が違うので、額が違います。)

 

 東京市民ソーラーの5つの発電所の稼働により昨年度は、18リットルの灯油ポリタンクに換算すると約2,184個分の石油燃料による発電を削減できたことになります。

 

気象庁調査によると、東京の日照時間は、2018年度の2101時間以降、2019年度1854.2時間、2020年度1932.3時間と減少してきていましたが、2021年度は、2084.3時間でした。

しかし、今年度の発電成果は、7年間で最低の発電量となり、日照時間の短かった昨年度より下がっています。

世田谷の3発電所での、2021年度の1kWあたり成績は、上祖師谷1,066 kWh、宮坂1,043kWh、弦巻991 kWhでした。それぞれ前年度の97%96%91%となります。弦巻が特に低いですが、後述する通り、屋上施設修繕のため影がかかっていた期間があったのが主な原因です。

 

 茨城県の那珂発電所は、2021年度の1kW分の発電電力量は、1,228 kWhで、昨年度の1,224kWhより僅かですが良い発電電力量でした。

水戸の日照時間は、2021年度は2275.8時間でした。2020年度は2116.9時間でしたので、日照時間はより改善しているので、やはり多少の発電量低下が見られます。

 

 山梨県の明野発電所は、2021年度の1kW分の発電電力量は、1,184kWhで、昨年度の1,217kWhよりやはり低下しています。
 近隣の韮崎の日照時間は、2021年度は2287時間で、2020年度は2092.2時間で、こちらも長くなっているのに、発電量が低下しています。

 

 次のグラフは毎年の月毎の全発電所の発電電力量を比較したものです。各月の一番右の棒グラフが2021年度の記録です。6月の発電量が低く、7月、8月は悪くないです。9月にまた下がり、10月以降は平均的な発電量でした。1月などは良かったのですが、3月以降の落ち込みが気になるところです。

 

 

次のグラフはその月までの1年間の発電量を比較したもので、やはり、低下傾向が見られます。

 

同じグラフを発電所ごとに分けてみました。発電開始時から漸減の傾向が見られますが、那珂発電所はそれほど落ちておらず、明野発電所が落ちてきているようで

 

この1年間の変化を見てみます。各発電所の容量が違うので、同等の条件で比較できるように、1kW1日ごとの発電電力量で比較してみました。

弦巻の発電所の冬の落ち込みは前述の屋根補修の影響です。明野発電所は通常は年中トップの記録でしたが、2位や3位となっている月が増えています。

 

 

各発電所からのレポート

 

世田谷より

 弦巻発電所での屋根上施設改修

  発電に関連するところで大きな影響があったのが、弦巻発電所での屋上施設修繕に伴った工事です。太陽光発電はそのまま発電を続けたのですが、資材の搬入のため、下の図の通り、一部の太陽光パネルに養生用のプラ段をかけることになりました。我々より、発電量の低い冬に行うこと、また、3つあるパワーコンディショナーのうち、1回路だけに影響が出るような形で組むように要望しました。その結果、2つのパワーコンディショナーからの発電は通常通りを確保することができ、影響は最小限に済んだと思われます。

 

 

(屋上配置図。黒い網掛け部分に養生をしました。)

 

オンラインセミナーの開催と世田谷ゼロカーボン宣言への動き

 

20211010日に、「世田谷区をもっと地球に優しい街に。自然エネルギー100%は省エネと再エネでこう実現する〜決定版〜」と題するオンラインセミナーを開催しました。主催は世田谷の若い人たちの活動から生まれた「ゼロエミ世田谷」で、東京市民ソーラーも共催しました。参加応募者が300名を超え、大変、盛会でした。

登壇者

歌川学氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所 持続可能システム評価研究グループ主任研究員)

保坂展人氏(世田谷区長)

清水優子氏(世田谷区環境政策部長)


世田谷区の温室効果ガス排出実質ゼロを目指した取り組み例が紹介されました。そして、行政と市民が一体となった行動を継続することが誓われました。

当日の配信されたセミナー動画は下記のリンクよりご覧いただけます。

https://youtu.be/KtHOOeO9YIc?si=gQi5DMVuDP_BD6b6

 

 

 

 

世田谷で一番古い冷蔵庫コンテスト 9月末まで開催中です!

省エネ家電のアピール、さらに、省エネ住宅(断熱)、屋根ソーラーの設置の啓発キャンペーンです。古い冷蔵庫の電力消費量は大変多く、最新の省エネ型の冷蔵庫に変えることで、半分ぐらいの消費量に減ると言われています。

インパクトを強めるためにコンテスト形式を行ってみました。世田谷区内で一番古い冷蔵庫と認定されましたら、無料で最新型の冷蔵庫を差し上げます、というキャンペーンです。電器量販店のノジマや区内の新電力であるみんな電力、などから協賛をいただいて開催しています。世田谷区の後援イベントです。また、参加者全員への参加賞も用意しています。皆様で世田谷区在住の方、我こそは最古の冷蔵庫使用者という方も、そうでない方もぜひ、参加してみてください。


 チラシを次ページに掲載しました。 

 

 

 

 

 

(各発電所の1kWあたり1日の発電電力量(kWh)の推移グラフ)

 

 

 

 

 

那珂(茨城県)より

投資の循環でさらなる再エネ拡大の一助に

  

コロナのための移動制限の3年、東京は逼塞状態です。市民事業の可能性を切り開くことを目的に、広域に土地探しをして発電所を開設したため、世田谷の他は東京から離れたところの設置。もともとそうしょっちゅうは訪問できないところ、コロナ禍は拍車をかけて、身動きがとれなくなっています。

那珂では、設置場所を紹介してくださった菊池さんを中心にGCNいばらきを結成してもらい、発電所の保守を委託しています。これを資源に、地域に根差した再エネ普及活動をしていただきたいと期待して、地元の団体との連携を模索してのことでした。メンバーが欠け、さらにコロナで足踏み状態ではありますが、最低限の保守活動は頑張っていただき、毎月報告が届きます。

 

(最近の那珂発電所の様子)

5つの発電所の売電収入のほとんどは、お借りしている設置費用の返済と経理事務経費に充てられますが、残りを3等分して、それぞれの地域の発電所の運営経費等となります。那珂チームでは、この分配金は、保守点検の委託費に大半を使い、メンバーの活動費のほかは今後に予想される部品交換などの大型出費に備えて一括プールしています。そこで、このお金を再エネ拡大への投資に回すことを考えました。

東京市民ソーラーにはあらたな設置計画はないため、イージーパワー株式会社が発電所建設のために募集していた社債に参加することとしました。一口10万5口参加し、一時は、備蓄費がすっからかんになってしまったものの、10年かけて10分の1づつ返済されることとなっており、今年第1回の償還がありました。分配金は毎年加算されるので、またたまっていきます。お金を備蓄して眠らせるのでなく、投資による循環が可能で、再エネ拡大の一助となればうれしいことです。

イージーパワーは、東京市民ソーラーが設置に至らなかった北杜市や匝瑳市の発電所をつくるために東京市民ソーラーの有志メンバーらが出資してつくった会社。これから、非FIT発電所をどんどんつくって、新電力の再エネ供給の電源を供給していくことをめざしています。一緒に再エネ普及拡大にまい進していきたいと思います。

 

 

 

 

明野(山梨県)より

サーモグラフィによる保守点検も計画

コロナによる閉塞状況が続く中、明野発電所現地にも行かれなくなっています。

都内でのイベント開催も講師が陽性になってしまって中止とか、思うに任せない状態が続いています。

明野発電所の管理もしていただいている大家さんが雑草刈りなどの作業が難しくなってきているとの事なので、明野で地域活動をされている方に作業を肩代わりしていただけるように準備をしているところです。グループとして活動していただければグランドカバーなども充実できると期待しています。こちらはまだ引き受けてくださる方が決まっていないので引き続き検討していきます。


また、今まではご自宅が近いこともあり、毎日のようにメーターを確認していただいていましたが、7月途中から作業の軽減を図るために、これを月3回、PCSの確認は月1回に変更しています。

明野発電所の地域活動貢献の一つとして

FLIR E4 WiFi赤外線サーモグラフィ」を購入いたしました。NPO法人中野・環境市民の会でグリーンインフラの効用を検証するために中野区政策助成事業として4年連続して取り組んでいますが、物品の購入は却下されました。そこで発電所メンバーと協議して地域貢献に資するとして購入いたしました。断熱改修や省エネ効果を目に見える形で計測し、ワークショップやフィールドワークなどの参加者の方にも見える形で体感していただけると思っています。

左側は今話題になっている、神宮外苑のイチョウ並木を514日にFLIR E4で撮ったものです。樹木が作り出す緑陰と人との状況が見て取れます。右側は国立競技場のハザードですが、緑化をしてあるのですが、温度としてはほとんど貢献できていないようです。

この機器のスペックとして、ソーラーパネルの不具合箇所の特定もできるので、発電事業にも活かせます。

また、国際環境NGO FoEJapanが制作した「世界の気候変動かるた」を2セット購入し、地域の小学校などと、活用方法を検討しています。

 

 

2022年(2021年度)のレポートは以上になります。

2021年 リポート

 

コロナ禍はいつ果てることもない中、水災・土砂災害が繰り返され、北東アメリカでの極端な異常高熱など、気候危機は深刻な事態に至っています。ささやかな取り組みかもしれませんが、東京市民ソーラーでカーボンフリーの電気を供給できていること、ご参加者の皆さまに感謝いたします。

この度、六年目の成果分配に伴い、2020年度一年間の報告書を発行させていただきます。

 

発電量のご報告

202061日から2021531日までの検針結果より(下段:2019年度、

2018年度)   

発電所
場所
(容量)

宮坂(11kW)

上祖師谷(15.75kW)

弦巻(21kW)

那珂(48kW)

明野(55.08kW)

世田谷
三箇所(47.75kW)

合計(150.83kW)

年間
発電量

(kWh)

11,979

11,704

9,779

17,306

17,636

18,764

22,971

(23,430 

24,881

58,771

(59,140 

60,254 

67,034

(67,712 

70,248

52,256

52,770 

53,424

178,061

179,622 

183,926

積算
売電額

()

421,661

(411,642 

337,958

609,171

620,873 

648,479

808,578

(820,040 

859,883 

2,068,739

2,009,247 

2,082,373 

2,359,597

2,353,666 

2,427,765

1,839,410

1,852,555 

1,846,320

6,267,746 (6,215,468 

6,356,458

 (※注:各発電所の発電開始時や検針日、年度の消費税率が異なりますので、単純比較はできません)

 (※注:匿名組合損益計算書は計算書の注記にある通り、税額などの計算方法が違うので、額が違います。)

 

 東京市民ソーラーの5つの発電所の稼働により昨年度は、18リットルの灯油ポリタンクに換算すると約2,300個分の石油燃料による発電を削減できたことになります。

 

 今年度の発電成果は、6年間で最低の発電量となってしまいました。

気象庁調査によると、東京の日照時間は、2018年の2112.2時間以降、20191909.0時間、20201889.5時間と減少しています。2020年は前年の0.99倍になります。

世田谷の3発電所での、2020暦年の1kWあたり成績は、上祖師谷1,087 kWh、宮坂1,059kWh、弦巻1,073 kWhでした。それぞれ前年度の0.970.990.97倍となります。

 

 茨城県の那珂発電所は、2020暦年の1kW分の発電電力量は、1,088 kWhでした。

水戸の日照時間は、2018年の2199.1時間以降、20192088.6時間、20202058.8時間と減少しています。よって2020年は前年の0.98倍であるところ、那珂発電所の発電電力量は、0.998倍でした。

 

 山梨県の明野発電所は、1年分で1,183kWh発電しており、前年2019年度の0.97倍です。近隣の甲府の日照時間は、2018年の2391.3時間、20192216.1時間、20202250.3時間となり、2020年は前年の1.01倍と増えていました。

 なお、発電所は5月締めの年度で集計しているので、日照時間の記録とは約半年の期間のずれがありますのであくまで参考としてお読みください。

 

 次のグラフは毎年の月毎の全発電所の発電電力量を比較したものです。2020年度は全体的に低かったのですが、9月、3月、4月などは今までで最大の発電を記録しています。

 

次のグラフはその月までの1年間の発電量を比較したもので、日照時間の変化に伴い、低下傾向が見られます。

 

 

 

 

 

 

 

各発電所からのレポート

 

那珂より

在りし日のくまさんとの想い出

  

 コロナで殆ど活動できず、訪問もできず、とくに報告できそうなトピックないなあと思っていたところ、はからずも管理委託をしているGCN茨城のメンバーくまさんの訃報が届きました。生前のご厚誼への感謝とともに、ありし日のくまさんとの出会いの思い出、那珂発電所開設秘話を。

 そもそも東京市民ソーラーは、適特(適格機関投資家等特例業務)活用のためにつくった会社。お金集めが先で、やおら物件探しに取り掛かかったものの、近場ではなかなか有望な物件が見つからず、PVネットつながりで茨城の土地を紹介していただくことに。

 茨城では、はじめはソーラーシェアリングをやりたいとのことでした。2014年当時はまだ事例も少なく、まずは基礎知識を仕入れに早朝家を出て一路匝瑳まで行き、市民エネルギーちばの架台組立中の装置を見せていただきました。それが私たちのソーラーシェアリングとの出会い。なんとその日に東さんの軽トラで太平洋岸の下道を延々北上して、茨城遠征の旅に。大変な強行軍の一日になりました。

 退職したくまさんが友人から借りて農業をするという開墾中の土地や、菊池さんの田んぼや、竹林と化した荒畑などいくつも見せて貰ったものの、東さんのご指南でもどこもう~む。もう暗くなってあきらめかけて帰途について最後にお寄りした菊池さんのお知り合いのお宅に、様々な紆余曲折ののち那珂発電所を建てさせていただくことになったのでした。

 その後、菊池さんやくまさん、ねもさんなど、茨城のお仲間にこの発電所を地域資源として活かしていく活動を期待してGCN茨城を結成していただき、保守点検を委託する連携をつくることができました。

 

(くまさんのソーラーシェアリング)

 

 くまさんは、あれからあの土地で農業をやっておられたのかなと思っていたところ、菊池さんから、その後、くまさんはソーラーシェアリングにも挑戦し、東さんの所から仕入れて、山の神発電所にソーラーシェアリングシステム増設を果たしたよとお知らせがあり、写真も送って頂きました。

 あの日、ほがらかに農業への意欲を語っておられた、くまさんのお元気なお姿を思い出します。願いがかなってよかった。突然のこととて信じられない思いでいっぱいですが、ご冥福をお祈りいたします。

 

 

明野(山梨県)より

サーモグラフィによる保守点検

 地球環境への貢献と地域貢献のために合同会社東京市民ソーラーの事業が始まって早いもので、すでに6年が経とうとしています。ソーラー事業は長い期間での事業になるので、その間に色々なことが起こります。

明野発電所の管理もしていただいている大家さんが雑草刈りなどの作業が難しくなってきているとの事なので、明野で地域活動をされている方に作業を肩代わりしていただけるように準備をしているところです。グループとして活動していただければグランドカバーなども充実できると期待しています。

この明野発電所を設置する際に大変お世話になった株式会社市民ソーラーの澤社長がお亡くなりになり、今は九州の方が社長です。澤さんの思いを汲んでお手伝いをしていた市民団体として、パネルオーナーさんや地域とのかかわりは引きついでいただきたいと交渉を始めています。今はコロナ禍ですが、これが明けるころにはバスツアーなどを再開したいものだと夢を抱いています。是非皆さんにも見ていただきたい甲斐駒ヶ岳を望む素敵な環境です。

明野発電所の地域活動貢献の一つとして「FLIR E4 WiFi赤外線サーモグラフィ」を購入いたしました。私が所属しているNPO法人中野・環境市民の会でグリーンインフラの効用を検証するために中野区政策助成事業として3年連続して取り組んでいますが、物品の購入は却下されました。そこで発電所メンバーと協議して地域貢献に資するとして購入いたしました。断熱改修や省エネ効果を目に見える形で計測し、ワークショップやフィールドワークなどの参加者の方にも見える形で体感していただけると思っています。

これは中野区四季の森公園をFLIR E4で撮ったものです。画面中心の丸が左肩に温度として表示されています。右の縦のバーが温度を表しています。手前の舗装と先の園路が58.2度、真ん中の芝生が43度ほど、植栽と樹陰が33.2度と読み取れます。木陰に人々が憩っているのが見えますか。(実際には3mから5mの距離が機器の適正計測値なので参考値です。)

この機器のスペックとして、ソーラーパネルの不具合箇所の特定もできるので、事業にも活かせます。

 

世田谷より

 コロナ禍でのオンラインでの取組み

  今年度の世田谷ですが、大きなトラブルなどもなく終了しました。残念ながらコロナ禍の中、イベントなどもなく静かに過ぎ、特に特別にレポートできることがありません。

 発電所とは関係はないのですが、運営保守を担当しているNPO法人世田谷みんなのエネルギーは、思い切ってオンラインで子ども向けエネルギー講座を実践してみました。

例えば、次の写真のように、同じ氷水を入れたコップを並べて、一つずつコップを下に重ねて行った時に、ガラスの表面温度がどう変わるかを比べてみました。これは、窓ガラスの断熱性能を比較する簡単な実験です。コップ一つ、二つ重ね、三つ重ねが、窓ガラスで言えば、シングルガラス、ペアガラス、トリプルガラスに当たります。写真には二つ重ねと三つ重ねしか載っていませんが、3枚重ねのコップの表面温度が氷水の温度を伝えにくく、もっとも高くなっています。

     

 さらにコップの周りをアルミ製と樹脂製の食品ラップでそれぞれ包んで、触った時にどちらがより冷たいかも実験してみました。これはそれぞれアルミサッシ、樹脂サッシの断熱性能を模したものです。

 このように、いろんな工夫をしながら実感できる場を増やしていきたいと思います。そして、地域からのゼロカーボンへのロードマップ作りに貢献できたらと思います。

 

2021年(2020年度)のレポートは以上になります。

 

 

2020年 リポート

 

大きな自然および社会の変動を迎えております。このコロナ禍のなか、皆様ご無事でお過ごしであることを祈念します。

この度、五年目の成果分配に伴い、2019年度一年間の報告書を発行させていただきます。

 

発電量のご報告

201961日から2020531日までの検針結果より(下段:2018年度、

2017年度)   

発電所
場所
(容量)

宮坂(11kW)

上祖師谷(15.75kW)

弦巻(21kW)

那珂(48kW)

明野(55.08kW)

世田谷
三箇所(47.75kW)

合計(150.83kW)

積算
発電量

(kWh)

11,704

9,779

12,034

17,636 

18,764

18,235

23,430 

24,881

23,758 

59,140 

60,254

57,756 

67,712 

70,248

70,540

52,770 

53,424

54,027 

179,622 

183,926

182,323

積算
売電額

()

411,642 

337,958

415,890

620,873 

648,479

630,214

820,040 

859,883

821,070 

2,009,247 

2,082,373

1,997,134 

2,353,666 

2,427,765

2,437,859

1,852,555 

1,846,320

1,867,174

6,215,468 

6,356,458

6,302,167

 (※注:各発電所の発電開始時や検針日が異なりますので、単純比較はできません)

 (※注:匿名組合損益計算書は計算書の注記にある通り、税額などの計算方法が違うので、額が違います。)

 

 脱炭素の目標に対して、合計18kWhほどの太陽光発電は、石油火力に換算すると約41千リットルの燃料による発電量に値し、その分の石油燃焼を減らせたとすると、18Lのポリバケツ約2,300個分の石油が節約できたことになります。太陽光発電の製造時・廃棄時にかかるエネルギーは太陽光発電の約1年間〜2年間の発電量に相当すると言われていますので、運転中に温室効果ガスを排出しない太陽光発電は長い間、継続して使えば使うほど、脱炭素に貢献することになります。

 

 今年度の発電成果は、気候変動の影響か、大型の台風が多く上陸したなどの影響で、かなり日照時間が少なく、残念ながら思わしくないものでした。2019年(暦年)の東京での太陽光平均発電量は、南向き10度の設置で、1kW あたり1,075kWhとのことで、2018年の1,148kWhよりかなり低かったです。ここ10年の平均が1,111kWhとのことでしたので、平均よりかなり悪く、2016年の1,036kWhに次いで低い発電量でした。(ソーラークリニック調べ)。世田谷の3発電所での、2019暦年の1kWあたり成績は、上祖師谷1,127 kWh、宮坂1,072kWh、弦巻1,119 kWhでした。全て南向き約5度の平置きですので南向き10度より条件は不利ですが、上祖師谷と弦巻は平均の1,075kWhより良い発電結果で、宮坂もほぼ同様の発電量でした。

 

 茨城県の那珂発電所は、2019暦年の1kW分の発電量は、1,199 kWhでした。近隣の水戸の南20度は、20191,230kWh平均(10年平均1,257kWh)とのことで、毎年同様のレベルですが、平均値よりは低かったです。

 

 山梨県の明野発電所は、1年分で1,224kWh発電しています。近隣で記録がある韮崎20度での2019暦年の1kW分発電量は1,378kWh10年平均1,405kWh)です。

 なお、全体としては次のグラフにある通り、2019年の梅雨から秋までの発電量が低く、20201月から4月までは発電がよかったです。

 

 

 

 

各発電所からのレポート

 

那珂より

市民電力連絡会が見学訪問

  

 NPO法人市民電力連絡会から、那珂発電所の見学依頼があり、2019年9月、市民電力連絡会茨城再エネ探訪視察隊の10名の皆さんが訪問されました。

そもそも東京市民ソーラーは、市民電力連絡会の適特(*)活用の取組から成立した発電会社です。社員にも連絡会の会員が名前を連ねています。神栖市の風力発電やつくば市のメガソーラーシェアリングの見学と併せ、地域との連携事例として那珂発電所を見学先に選んでいただいたことはうれしいことでした。

*適特:適格機関投資家等特例業務のこと。金融商品取引法等により規制のある出資募集が簡便に行える特例制度で、東京市民ソーラーも市民発電所設立資金募集に採用。悪用事例が多発したことにより規制強化となり、現在は事実上活用できなくなっている。

 

 

あいにく、管理を委託しているGCN茨城の皆さんのご都合がつかず、市民電力連絡会の一員でもある東京市民ソーラー社員の都甲が、ご案内、ご説明をしました。都甲も2015年夏の開設時以来ですから、4年目の訪問となりました。

その間、発電所の保守点検は、一手に、GCN茨城の皆さんがお引き受けくださっています。3年目ころから配線を束ねている結束バンドが、プラスチック素材であるため劣化して切れたり、落ちたりしているところが見られはじめ、補修の必要ありとの提案を戴いていましたが、この機会に確認することができ、のちに補修の実施をお願いしました。

今回は、地域の方々との交流の機会とはならず残念。また、東京市民ソーラーでは、出資者の方々をお誘いして、各地の発電所の見学を企画しようと考えていましたが、1周年に世田谷の発電所を見学した他は企画倒れになっており、申し訳ありません。さらに、今年に入って、今度はコロナのために移動制限の仕儀となり、当分、見学や交流の機会は持てそうもありません。

GCN茨城の皆さんから、取り組まれている干しいもを送っていただき、おいしくいただいていましたが、今年は干しいもづくりも断念とのこと。コロナの収束が待ち望まれます。

 

 

 

明野(山梨県)より

グランドカバーと太陽光条例

 一年間の発電所報告を見ても、発電量が少し減ってきている状況がうかがえます。

植栽については、色々試したいところですが、今年度はコロナ禍もあり、現地に行けない状態です。

北杜市では大規模開発によるソーラー発電についての条例も選定され、10月からの施行ですが思ったより後退した内容になっているようです。私たちは地域に愛され、なじんでいかれるような発電所を目指したいと思います。

 

 明野発電所発電報告からの抜粋

831

PCS1,2は一番南側にあり林の影響や落ち葉などが付着し多少汚れもあり、またこの日は雲の流れもあり確認中においても、雲で遮られ日陰になり数値が低かったものと思われます。

又機会があれば現地等見て頂けると良いかなと思います。

 

1231

一昨年、昨年と発電量が少なくなっているようですね。

これも気候変動のあらわれでしょうか。

 

229

今年は雪も少なく晴れの日も多かったため2月にしては上々だったかもしれませんね。

これも温暖化の影響でしょうか。

 

430

私の方は田植えの準備で日々草刈りや田んぼでの農作業です。

北杜市の別荘地には多くの県外者が訪れておりスーパーなどは大変な混み様です。

私の周りでも日頃見かけない方々がマスクもせず子供連れで散歩している光景をよく見かけます。

 さて、4月分の発電データを送付しますのでご確認願います。

4月は例年になく雨天や雨量も少なく発電量が多かったようです。

我が家の記録もことのほか良かったように思われます。

 

 531

5月は先月より曇りの日が多かったようですね。

5月の初めに草刈りをしましたが、こちらも今では南側の空き地には大分長くなってきています。あまり長くなると刈りづらく刈払った草もそのままにしておくと次回大変なので早め早めに対応したいと思います。

ここ最近、いわだれ草も当初5蕪植えたものが今では2㎡ぐらいにはなっています。

田んぼの方でなかなか手が回らず面倒見切れていません。

 

 

630

やはり梅雨の季節今月は雨天の日が多く発電状況もいまいちと言ったところでしょうか。

我が家も先月より100kWh位少ないようです。

 

731

記録的な長梅雨、やっと明けたようです。13年ぶりの遅い梅雨明けとか、日照時間平年の37.%との事です。

明野は日照時間が長いとはいえ長雨の影響により相当な落ち込み用です。

昔の梅雨はしとしとの雨でしたが、最近は被害をもたらす豪雨を伴います。


  

 

 

 

 

世田谷より

 台風の影響は?

  今年度の世田谷の発電レポートでは、特に大きな問題もなく、無事に過ぎた一年であったと思います。ただ、2019年秋の3つの大型台風では被害が起きないかと、大変心配していました。

台風が過ぎた後にさっと見て回りましたが、特に大きな影響もなく、屋根置きの発電設備ですが、ほぼ平たく置いていることもあり、強風の影響もなかったです。次の写真で、その平置きの太陽電池モジュールの裏側を写してみました。両側にコンクリートブロックを置いて固定することで、風除けの重石としています。

また、屋根の上に置いてあるパネルのおかげで、屋根面がいつも日陰になっています。これで、夏の間、最上階の天井が熱くなりすぎるのを抑えているのが分かります。また、直射日光や放射冷却などの影響で屋根面が劣化する速度も緩めていると思われます。

 

 

 2020年(2019年度)のレポートは以上になります。

今後ともご支援くださいますようお願い申し上げます。

 

 

 

2019年レポート

 

発電量のご報告
2018 年 月 日から 2019 年 月 31 日までの検針結果より(下段:2017 年度、

2016 年度) 

(※注:各発電所の発電開始時や検針日が異なりますので、単純比較はできません) (※注:匿名組合損益計算書は計算書の注記にある通り、税額などの計算方法が違うので、額が違います。)

発電所 場所 (容量)

宮坂 (11kW)

上祖師谷 (15.75kW)

弦巻 (21kW)

那珂 (48kW)

明野 (55.08kW)

積算 発電量 (kWh)

9,779
(12,034
(11,870

18,764
(18,235
(18,457

24,881
(23,758
(24,162

60,254
(57,756
(59,925

70,248
(70,540
(72,937

積算 売電額 (円)

337,958
(415,890
(410,227

648,479
(630,214
(637,874

859,883
(821,070
(835,039

2,082,373
(1,997,134
(2,071,008

2,427,765
(2,437,859
(2,520,703

合計 (150.83kW)

183,926
(182,323
(187,351

6,356,458
(6,302,167
(6,474,851

 

 

合計 18 万 kWh ほどの発電は、石油火力に換算すると約 万 千リットルの燃料によ る発電量に値し、その分の石油燃焼を減らせたとすると、18L のポリバケツ約 2,300 個分 の石油が節約できたことになります。地球温暖化から地球過熱化、気候変動から機構危機 と非常にシビアな現象が現れてきている今、化石燃料の燃焼をより一層控える必要があり ます。

2018 年(暦年)の東京での太陽光平均発電量は、南向き10度の設置で、1kW あたり 1,148kWh の発電とのことです。ここ 10 年の平均が 1,113kWh とのことでしたので、平均よりやや良い発電日和でした。(ソーラークリニック調べ)。世田谷の3発電所での、2018 暦年の成績は、上祖師谷 1,186 kWh、宮坂 890 kWh、弦巻 1,180 kWh でした。全て南向 き約5度の平置きですので南向き10度より条件は不利ですが、上祖師谷と弦巻の発電所 は平均の 1,148kWh より良い発電結果でした。宮坂だけかなり低いのは、下記のレポート にある通り、直流側の過電流によりパワーコンディショナーが停止し、またその復旧が遅 れてしまったのが原因です。

茨城県の那珂発電所は、2018 暦年の1kW 分の発電量は、1,243kWh でした。近隣の 水戸の南 20 度は、2018 年 1,278kWh 平均(10 年平均 1,253kWh)とのことで、若干平 均値より低かったです。

山梨県の明野発電所は、1年分で 1,258kWh 発電しています。近隣で記録がある韮崎 20 度での 2018 暦年の 1kW 分発電量は 1,441kWh(10 年平均 1,402kWh)です。比較す ると少ないですが、この発電所は冬に南側の樹木の陰がかかります。また、近隣に太陽光 発電が増えたことにより特に夏などにフリッカー現象による発電量抑制が起きている可 能性があります。

なお、全体としては次の表にある通り、特に 月の発電がよく、昨年よりやや良い発電 量を確保できました。

 

 

各発電所からのレポート 世田谷より

保守点検でミスがありました。お詫びします。

  世田谷の発電レポートでは、皆様にお詫びしないといけないことが発生してしまいまし
た。

宮坂発電所において多分、太陽光発電近辺の落雷などにより、過電流が流れてパワーコ ンディショナーが停止してしまいました。2018 年 9 月上旬に起きた模様です。

ただ、発電量チェックが遅れ、復帰したのは 12 月上旬となってしまいました。近隣の発 電所の実績などから推測すると約10万円の売電成果のロスがあった模様です。専門の業者 にも確認いただきましたが、停止した理由は直流側(太陽光発電側)の過電流としかわから ず、復旧後は正常に動き続けています。対策として、発電量の常時チェック体制を取り直し ました。また、定期的に発電所の現地メーターをチェックしています。また、出資者の方へ の目標配当額の分配に影響が出るような場合は、保守点検費用の減額など検討していきます。

 不手際があったこと、改めて深くお詫びします。
 page5image239744明野(山梨県)より グランドカバーと太陽光条例

明野発電所ではマルバストラム、イワダレソウ、タイムフォックスリー、ワイヤープラン ツなどのグランドカバーを試していて、埃がたたず、近隣に雨水の流出もなく、景観的にも よさそうなものを取り入れたいと努力しています。

マルバストラムなど

イワダレソウ 6/8

page6image958912 

7/8

    タイムフォックスリー。左辺のイワダレソウの方が勢いがあるようです。

北杜市では地区外の資本での大規模なソーラーサイトで水源の森が開発されそうになっ ていたり、森林の伐採により、景観が損なわれたりとすることから住民の間で大規模ソーラ ーサイト開発が問題になっています。北杜市6月の定例議会では太陽光条例が可決しました。

一年間検討委員会で審議された内容よりも相当後退した内容となっているということで すが、今年10月1日からの施行です。折角の地域の財産である自然の恵みからの再生可能 エネルギーなので、環境や景観を損ねることなく、地域を活性化させるためにこそ活用すべ きだと考えます。

 

那珂より

 干しいも作りにトライしました。 
page7image986688

那珂発電所は、設置した発電所を拠点に活動する地元団体として設立されたGCN茨城に

管理を委託しています。代表の菊池さんは、那珂発電所設立の功労者でもあります。ご自分

たちの発電所と一緒に東京市民ソーラー発電所の発電量計測や目視点検、草取りなどをして

いただいています。

傍ら、販売する事業を始めるとのこと。

昨年送られてきた試作品は、真空パック詰めがされており、無農薬で栽培したサツマイモを

間伐材を燃料に蒸かして天日干しにした干しいもを

ほどよい甘さ、少し柔らかめのもっちりとした食感で、一味違うと感じました。いずれは手

掛けているソーラーシェアリングでのイモづくりにもトライするとのことで、期待していま

す。干しいも本格製造初年度の今年 85 キロの限定販売。1キロ 1500 円。

写真は、発電所の近況。北側の竹林が伐採され、介護福祉施設が立ちました。

 

 

 

2019 年(2018 年度)のレポートは以上になります。 今後ともご支援くださいますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

2018年 リポート


 「東京市民ソーラーファンド第一号匿名組合」出資者のみなさま

 

                 

2018年8月29日

合同会社東京市民ソーラー 社員一同

拝啓 

 

地球温暖化の加速を肌で感じてしまうような酷暑の夏でしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。改めまして、皆様のご協力に深く感謝いたします。

この度、三年度目の成果分配に伴い、一年間の報告書を発行させていただきます。

 

発電量のご報告

201761日から2018531日までの検針結果より(下段:2016年度)

発電所
場所
(容量)

宮坂(11kW)

上祖師谷(15.75kW)

弦巻(21kW)

那珂(48kW)

明野(55.08kW)

世田谷
三箇所(47.75kW)

合計(150.83kW)

積算
発電量

(kWh)

12,034

(11,870

18,235

(18,457

23,758

(24,162

57,756

(59,925

70,540

(72,937

54,027

(54,489

182,323

(187,351

積算
売電額

(円)

415,890

(410,227

630,214

(637,874

821,070

(835,039

1,997,134

(2,071,008

2,437,859

(2,520,703

1,867,174

(1,883,140

6,302,167

(6,474,851

 (※注:各発電所の発電開始時や検針日が異なりますので、単純比較はできません)

 (※注:匿名組合損益計算書は収入日ベース、税抜のものなので額が違います。)

 

 東京市民ソーラーの3年目となりました20176月から20185月の日照は2017年中は良かったのですが、2018年1月から2月の大雪の降雪時の日射量が低かった影響が大きく、残念ながら昨年度よりは発電量が低かったです。

 合計で18kWhほどの発電を行いました。これは石油火力に換算すると約41千リットルに値し、18Lのポリバケツ約2,300個分の石油が節約できたことになります。

 

 2017年(暦年)の東京での太陽光平均発電量は、南向き10度の設置で、1kW あたり1,168kWhの発電とのことです。2016暦年が1,045kWhでしたので、100kWh多かったです。(以下とも、ソーラークリニック調べ)。世田谷の3発電所での、2017暦年の成績は、上祖師谷1,194kWh、宮坂1,121kWh、弦巻1,159kWhでした。全て南向き約5度の平置きですので南向き10度より条件は不利ですが、平均の1,168kWhとほぼ近い発電結果でした。宮坂だけわずかに低かったので、保守点検を念入りに行ったところ、下記のレポートにある通り、パワーコンディショナーの吹き出し口の掃除が必要でした。

 茨城県の那珂発電所は、2017暦年の1kW分の発電量は、1,234kWhでした。近隣の水戸の南20度は、20171,244kWh平均とのことで、ほぼ平均値です。

 

 山梨県の明野発電所は、1年分で1,324kWh発電しています。グラフで見る通り、ほぼ毎月一番の発電量です。近隣で記録がある韮崎では1,399kWhです。比較すると少ないですが、昨年もレポートしましたが、この発電所は冬に南側の樹木の陰がかかります。これは当初より予想していた通りでしたので、事業上の問題はありません。

 

 

 

 

各発電所からのレポート

明野より

フリッカー現象、グランドカバーとパネル破損

 明野は山梨県北杜市。私たちの発電所の結果から見ても分かる通り、日照時間も長く、よく発電する場所です。そのせいか、天候による発電量の変化に電線網の周波数異常がよく起こるようになっているそうです。太陽光発電が大量導入されると起こることがある現象で、「フリッカー現象」と呼んでいます。様子を見ながら発電量の低下が起きるようですと、パワーコンディショナーの調整を行う予定です。

 さて、地面に設置する「野立て」の太陽光発電所。今ではあまり珍しいものでなくなり、あちこちで見ることができます。雑草対策がどこも大変だといいます。ドイツでは「ソーラービオトープ」という言葉があるそうです。適切な範囲で人間が雑草の伐採を行うと普通の原野や畑や牧草地よりも、より多様性のある植生や昆虫、小動物などが増えるので、ソーラー発電が逆に自然保護に役立っているというケースがあるそうです。ドイツと違って雨の多い日本では、伐採もより頻繁に必要かもしれませんが、引き続き、明野の発電所では、なるべく潜在植生を生かしながら、花などが綺麗であろうグランドカバーの育成にも取り組んでいます。グランドカバーがあれば、土ぼこりが舞って発電量を下げるのを避け、多少なりとも保水力を保ち、近隣への土砂や雨水の流出を避けることができます。現在はイワダレソウ、ワイヤープランツ、タイム、マルバストラムなどを植えています。

 

 


 

 昨年2017年の8月末に、ちょうど昨年度のレポートを発行した直後に、保守管理者より、1枚のモジュールのガラス全面にヒビが入っているとの連絡がありました。(写真次ページ)早速メーカー、設置事業者に確認したところ、付け替えていただくことができました。発電量にさしたる変化もなかったのですが、割れた隙間から漏水が起こってくる可能性もあるので、早急に取り換えました。


 

 さて、取り替えたモジュールは同じサイズの新しいモデルのものだったのですが、冬の積雪時に興味ある現象が起きました。次の写真をご覧ください。


 

 なんと交換したパネルだけ雪が落ちています。その理由はなんでしょう?

 近くに寄って周りのアルミフレームを比べると分かりました。


 

 写真で分かるでしょうか?下が新しいモジュール。上が以前のモジュールです。周りのアルミフレームの形が上のものは角張っています。下の新しいものは丸まっています。つまり、フレームが丸まっているので、雪が滑り落ちやすいのです。

 ほんのちょっとした違いですけど、大きな違いが生まれるのですね。太陽光モジュールは今でもどんどん改善されていっています!

 

 

世田谷より

「エネルギーシフト。なぜドイツはうまくいったか?」開催しました。

 201862日に、世田谷区の下北沢で「エネルギーシフト。なぜドイツはうまくいったか?」というイベントを開催しました。第一部は映画上映会で、「シェーナウの想い」を見ました。震災直後に日本のあちこちで熱い上映会が繰り広げられた、とても影響力のあった映画です。ドイツの田舎町シェーナウでチェルノブイリ原発事故に発した一般市民たちのエネルギーシフト、脱原発の運動が、10年かけて、ドイツでも有数の再生可能エネルギーの電力会社に育って行った、ドイツでも奇跡といわれた話のドキュメンタリーです。あの時と同じように、皆が熱い想いになり涙を流しました。

上映会の様子

 

 第二部では、講演「“シェーナウの想い”から現在まで」を開催しました。市民エネルギーとっとり代表の手塚智子さんを呼んで「日本とドイツのいまを語る。何が違うのか」をテーマに、ドイツの人たちの市民運動、市民パワーの強さ、そして目標を定めてその計画に達するように市民と政治とが一緒に合意して実行していく、そのような印象深い話をいくつも聞くことができました。

終了後に近所のカリタス下北沢ソーラー市民協同発電所で記念撮影

 

パワコンのフィルター掃除

 

宮坂発電所のパワーコンディショナーは他の発電所のものと違い、埃がつきやすい仕様です。パワコンの中の熱さを冷やすために換気をしているのですが、他のものは自然換気で行っているのですが、宮坂発電所のものは、機械的にファンを回しているせいもありフィルターに埃がつきやすいのです。そこで、掃除をしようと開けて見ると、、、

 

 

すでにフィルターとはいえない感じです… 大慌てで綺麗に洗い落として、再稼働させました。発電量が伸びることを期待しています。

 

 

 

那珂より

北側の竹林の伐採

 

 昨年もレポートしましたが、パワコンボックス内のシリコングリスの落下が続いていますが、発電量などには影響が見られません。メーカーも問題ないとの話ですが、継続観察しています。

 

 

(撮影:GCN茨城)

 

 今回、竹林の持ち主の方が、伐採して新たに建築を始めるそうです。夏至の頃の朝夕の発電に影響があるかないか、見ていきたいです。

 

 

 

 2018年のレポートは以上になります。

今後ともご支援くださいますようお願い申し上げます。

 

           合同会社東京市民ソーラー

 

 

 

 

 

2017年 リポート


 

「東京市民ソーラーファンド第一号匿名組合」出資者のみなさま

 

                 

2017年8月21日

合同会社東京市民ソーラー 社員一同

拝啓 

 

 まだまだ暑さが続く晩夏の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 この度、二年度目の成果分配に伴い、一年間の報告書を発行させていただきます。改めまして、皆様のご協力に深く感謝いたします。

 

発電量のご報告

2016811日から2017810日までの検針結果より(下段:昨年度)

発電所
場所
(容量)

宮坂(11kW)

上祖師谷(15.75kW)

弦巻(21kW)

那珂(48kW)

明野(55.08kW)

世田谷
三箇所(47.75kW)

合計(150.83kW)

積算
発電量

(kWh)

12,359

(15,918 

18,954

(22,592

24,367

28,998

60,006

(55,600 

72,403 

(71,703

55,680

(67,508 

188,089

(194,811

積算
売電額

(円)

427,127

(550,118

655,050

(780,779

765,539

(1,078,756

2,073,807

(1,921,530

2,502,248

(2,478,049

1,847,716

(2,409,680

6,423,771

(6,809,251

 (※注:各発電所の発電開始時や検針日が異なりますので、単純比較はできません)

 (※注:匿名組合損益計算書は5月末日までのものなので額が違います。)

 (※注:世田谷三件の昨年度は発電開始の5月から7月の分が入っているので発電量が多めです。合計もその影響で昨年が多めです。)

 

 東京市民ソーラーの2年目となりました20168月から2017年7月の日照はここ10年間の記録をみるとほぼ平均に近い年となりました。月ごとに見ると2016年秋の長雨の日射量が低かったり、逆に今年の梅雨にあまり雨が降らなかったり、異常な気象は続いていますが、年間の発電量を見る限り、だいたい平均値に落ち着きました。

 合計で19kWhほどの太陽光発電を行いました。これは石油火力に換算すると約45千リットルに値し18Lのポリバケツ約2,500個分の石油が節約できたことになります。

 

 2016年(暦年)の東京での太陽光平均発電量は、南向き10度の設置で、1kW あたり1,045kWhの発電とのことです(以下とも、ソーラークリニック調べ)。発電時期が違うのですが、世田谷の3発電所での、2016暦年の成績は、上祖師谷1,136kWh、宮坂1,050kWh、弦巻1,113kWhでした。全て南向き約5度の平置きですので、平均よりは少し良い発電結果であったと言えます。

 茨城県の那珂発電所は、1年間の1kW分の発電量は、1,209kWhでした。近隣の水戸の南20度は、20161,225kWh平均とのことで、やや低い値です。グラフを見ると、冬には他の発電所より良くなるのですが、夏の発電が比較すると落ちているようです。夏は太陽が北東から上がり、真昼にほぼ真上、そして北西に沈みます。つまり1日のほとんどは実は東西より北に太陽があり、北側の樹木などの影が落ちる場合があります。開始前の予測発電量より多いので事業上は問題ありません。

 

 山梨県の明野発電所は、1年分で1,289kWh発電しています。グラフで見る通り、ほぼ毎月一番の発電量です。近隣で記録がある韮崎では1,377kWhです。比較すると少ないですが、この発電所は逆に冬に南側の樹木の陰がかかります。これは当初より予想していた通りでしたので、事業上の問題はやはりありません。



 

お知らせ

(同)東京市民ソーラー代表社員変更のお知らせ

 2017年8月1日付で合同会社東京市民ソーラーの代表社員が変わりました。今までは「せたがや市民エネルギー合同会社」という法人が代表社員でしたが、新任で「NPO法人世田谷みんなのエネルギー」が代表社員となりました。なお、会社を個人として代表する代表執行役員は浅輪剛博で変わりません。その他の役員構成なども変わらず、実質としては変化がありませんのでご了解ください。

経緯をご説明します。

もともと、2013年に世田谷で市民出資によるソーラー発電を広げていこう、と設立されたのが、せたがや市民エネルギー合同会社です。独自で発電所を開始する前に、他の地域の人たちとも連携して行おうと、せたがや市民エネルギーも出資して作った合同会社が当社「合同会社東京市民ソーラー」です。

世田谷ではそれとは別に、主に断熱や緑化や省エネなど創エネ以外も含めた総合的な環境エネルギーまちづくりを行って来たNPO法人世田谷みんなのエネルギーもありました。両団体とも、代表は現在、浅輪剛博 です。(せたがや市民エネルギー合同会社は共同代表に山木きょう子さんもいました)メンバーもほとんど被っています。

 さて、せたがや市民エネルギー合同会社の当初の目的だった市民出資による市民発電所も、東京市民ソーラーが開始したことで、無事に達成したので、せたがや市民エネルギー合同会社の存在意義が薄れて来ていました。

 そこで、今回、せたがや市民エネルギー合同会社を閉めて、業務一切をNPO法人世田谷みんなのエネルギーが引き継ぐこととしました。以上、世田谷地域内での判断でしたが、合同会社東京市民ソーラーの役員、社員全員の同意も得られましたので、当社の代表社員の交代も成立しました。ここに、ご報告させていただきます。

合同会社東京市民ソーラー

代表執行役員 浅輪 剛博

各発電所からのレポート

明野より

地元とつながってのソーラー

グランドカバーと看板

 明野発電所は日本で一番日照時間が長いと言われている山梨県北杜市にあります。

管理を依頼している長田さんはお借りしている土地の大家さんで、発電所の近くにお住まいです。ご自宅でもソーラーパネルを設置しておられ、明野発電所との発電比較もして下さっています。天気も記録されているので、発電量の推移を比較して見ることができます。

 まめな草刈など、愛情を持って管理をして下さっているのがありがたいです。

北杜市は日照実績が良いので、たくさんの太陽光発電所があり、地域にお住いの方々には反対運動をされている方も居られます。自宅の目の前や景色の良いところ、森林を切り開いての開発、雑草を生やさないためにシートを貼ったり、コンクリートで固めたりして、雨天には下側の敷地に雨水が流れていくような状態のところもあります。

 折角の再生可能エネルギーなのに、この傾向は外部資本で作られた大規模な発電所に強いようです。

 私たちは景観保全、環境保全を心掛けた発電所運営を心がけています。

 今は色々な植栽をして、適正なものを探っています。グランドカバーができ、なるべく潜在植生にあったものを探しています。

 看板も明るく楽しいものをデザインして設置しました。

 

 

 長田さんは個人での管理なので相談をしながら運営をしています。

 現在も大きな牧場の跡地が開発されそうだとのことなので、検証していく所存です。

 再生可能エネルギーはできるだけ、地域の資本で地域にお金や仕事が回るように作っていきたいですね。長田さんはじめ、地域の方とも関係性を作り、貢献できたらと思っています。

               NPO法人中野・環境市民の会 須藤悦子

 


世田谷より

雹が原因と思われる亀裂発見

 

定期点検中に、宮坂発電所の太陽光モジュール2枚の表のガラス全面に細かな亀裂が入っているのを発見しました。細かく見ると打撃点のようなものがあり、石のようなものが当たったような跡がありました。よく、カラスが遊びで太陽光パネルに石を落とすという話を聞きます。ただ、近辺に石などを発見できず、原因が特定できませんでした。その場合、太陽光パネルの一部が電気抵抗を持ついわゆるホットスポットが原因で割れるという例も聞きますが、パネル自体にホットスポットの跡(焦げ跡など)も発見できません。消去法的になりますが、雹などが当たって溶けてしまったことが考えられます。早速地元の信頼できる施工会社に連絡して、特別価格で交換をしてもらうことができました。ガラス表面だけなので、短期的には発電量への影響はなかったようです。



 

また、資源エネルギー庁主催によるまちエネ大学に取材を受けました。これは、全国の市民発電を応援する取り組みで講師に専門家や市民発電の先達を呼び(当社代表の浅輪剛博や役員の澤山弘、唐木宏一も講師を務めたことがあります。)、全国で定期的に開催されています。今回、このまちエネ大学が冊子を発行し、見開きで東京市民ソーラー弦巻の発電所の紹介をしていただきました。

 



 

 

 

那珂より

那珂発電所の保守点検レポートから

パワコンの中にゼリー状の液だれ

 

 那珂発電所(茨城県那珂市)では、設置場所情報を提供してくださった菊池さんを中心に地域団体を設立していただき、保守点検を委託するとともに、市民発電所を地域の再エネ推進のシンボルとして活用いただくよう、地域連携を深めています。

 この地域団体は「GCN茨城」、昨年法人化もされ、保守点検事業だけでなく、独自設備も設置され、発電事業もされておられます。

 この保守点検の結果、昨年秋、パワコンボックス内に何らかの液らしいものが付着しているとの報告がありました。粘性強く、透明ゼリーのようなものが盛り上がっており、雨などの吹き込みではありません。発電状況には影響ないようなので、経過観察していただいていたところ、その後も、点検の都度、液だれが見られるとのことで、今年になってから施工事業者のコンタクトセンターに連絡し、原因を調べて貰いました。

 


 

 

 パワコンメーカーの田渕電気の見解は、パワコン内部部品の背面に塗布されているシリコングリスの落下と考えられるとのこと。そのままふき取ってよいとのことでした。シリコングリスは、一般的に、潤滑、放熱、電気絶縁・シールのために使う、無色、透明、無害のもので、パワコン設置時に手作業で塗布されているために、ごく稀に塗りすぎによる落下が起こる事例があるとのことです。

 発電に支障はないとはいえ、液だれが半年以上続くのは、塗りすぎとしてもほどがあり、施工の信頼度にも関わると思い、引き続き経過観察と、メーカーへの報告、対応を求めていきたいと思っています。

 

 

 

 

今後ともご支援くださいますようお願い申し上げます。

 

           合同会社東京市民ソーラー

                  代表 浅輪剛博および社員一同

 

 

 

 

               

【2015年5月1日】世田谷ソーラー市民発電所、発電開始です!

◀上祖師谷アパート市民発電所(15.75kW)

せたがや市民エネルギー合同会社は、東京の他の市民エネルギーの団体と協働して、2014年「合同会社東京市民ソーラー」を設立しました。小平市や、西東京市、中野区、練馬区、新宿区の団体代表とソーシャルファイナンス支援センターで共同出資し、一緒に話しあいながら運営しています。

 

市民出資の1つの方法として、匿名組合を用いて、特例業務を金融庁に申請して30名ほどの出資者から合計1500万円ほどを集めました。さらに、LPSソーシャルファンドから融資を受けて、資金を固め、茨城県の那珂市(なかし)、山梨県の北杜市、そして世田谷の3カ所、合計5カ所のソーラー発電所をつくりました。

 

◀世田谷事務センター市民発電所(21kW)

途中、様々な困難にあい、苦労しながら、市民たちがつくるあたらしい地域事業を始めることができました。市民自治の新たな段階として、市民たちが計画し、事業をし、運営をしていく、そのための貴重な学びの場ともなりました。この成果をまたみなさんとシェアして、今後に活かしていきたいと思っています。

 

さて、この世田谷の三つの発電所は、世田谷区が公共の屋根を太陽光発電設備設置のために特別公募してくださったものに、東京市民ソーラーが提案書を出し採択されたものです。

 

また、設置には、地元世田谷区の株式会社イーステージさんより、様々なご助言、ご支援をいただきました。

 

ここに、関わって下さった皆様、ご評価いただいた世田谷区、設置いただいたイーステージさま、そして大切な財産を出して下さった出資者のみなさんに深く感謝する次第です。

 

世田谷の発電所は、合計で47.75kW。

 

すべての地域に変わりなく注ぐ太陽の恵みを、またさらに市民の力で活かして、地域からのエネルギーシフトにさらに貢献していきたいと思っています。

 

東京市民ソーラー代表

せたがや市民エネルギー合同会社

浅輪 剛博

▲世田谷子ども・子育てセンター市民発電所(11kW)

【8月27日】朝日新聞に紹介されました。

8月27日(地域によって28日)の朝日新聞に、東京市民ソーラーが紹介されました。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11319888.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11319888

 

市民が地域でエネルギーシフトの一翼となること、市民自治の大切さ、

そして、その課題に関してまとめられたとても良い記事です。

 

ご覧下さい。

 

 

東京市民ソーラー 第一号ファンド

 事業主体の合同会社東京市民ソーラーにより、2014年〜2015年4月末までに計250kWほどの太陽光発電所をいただいた出資金及び融資により設置します。12年間の売電による運営利潤より配当いたします。

 詳細は、説明会にお越しいただくか、お問い合わせ下さい。

 

 

 ●出資者募集 110万円以上

設置した太陽光発電の売電12年間の運用の成果より配当いたします。

 

年間目標利回り:1.8%(保証するものではありません)

 

 

 

出資者説明会開催!    共催:カリタス下北沢、エコメッセ西東京

7/27(日)15

カトリック世田谷教会

「信徒会館」2階

世田谷区北沢1-45-12
(下北沢駅徒歩5分)

7/29(火)18

障害者総合支援センター
「フレンドリー」
2階C会議室

西東京市田無4-17-14

(田無駅徒歩5分)

 

講演会 竹村英明氏「市民ソーラーの現在」ほか 同時開催。